論理学体系(読み)ろんりがくたいけい(その他表記)System of Logic

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「論理学体系」の意味・わかりやすい解説

論理学体系
ろんりがくたいけい
System of Logic

イギリスの思想家ジョン・スチュアート・ミルの主著。2巻。 1843年刊。帰納論理学の体系化を目指したもの。伝統的方法論としての演繹法に対して,帰納的推理の重要性を強調帰納法をもって広く自然科学心理学,社会学の方法論としようとしたが,その妥当性については明証性を欠いている。しかし,この著書において注目すべきことは,意味論のうえで語 wordと慣行的内包 connotationと客観的外延 denotationとを区別したことである。

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世界大百科事典(旧版)内の論理学体系の言及

【ミル】より

…14歳以後は一人立ちで勉強したが,幼年期からの教育によって一種の純粋培養的な学者となったといえる。一生の間に《論理学体系》(1843),《経済学原理》(1848),《自由論》(1854年に書かれ59年出版),《功利主義論》(1861年に雑誌に発表,63年単行本),《女性の隷従》(1869),遺稿の《社会主義論》(1879)その他多くを著したが,それらはすべて自分の見聞に照らして,より正確に真理を究め世に問おうとする誠実な努力の結果であった。彼ほど世俗の利害や党派的な感情に惑わされない人物はまれであったといえよう。…

※「論理学体系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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