日本大百科全書(ニッポニカ) 「諸岡一羽」の意味・わかりやすい解説
諸岡一羽
もろおかいっぱ
(1533―93?)
戦国時代末期の剣術家。本名師岡常成(もろおかつねなり)、別号を一巴、一端、一波とも。父の筑前守常長(ちくぜんのかみつねなが)は常陸(ひたち)(茨城県)信夫庄(しのぶのしょう)(稲敷市)江戸崎(えどざき)城の守将であったが、1590年(天正18)蘆名盛滋(あしなもりしげ)に敗れ隠棲(いんせい)した。一羽は、卜伝(ぼくでん)系の新当(しんとう)流を学び、剣名をうたわれたが、晩年は悪病に苦しみ、門弟にも背かれ没したという。なお、松江藩系の新当流伝書には、飯篠若狭守盛近(いいざさわかさのかみもりちか)―師岡左京進勝順(さきょうのすけかつより)―師岡一波斎景久(いっぱさいかげひさ)とある。
[渡辺一郎]