日本大百科全書(ニッポニカ) 「江戸崎」の意味・わかりやすい解説
江戸崎
えどさき
茨城県南部、稲敷郡(いなしきぐん)にあった旧町名(江戸崎町(まち))。現在は稲敷市の北西部を占める地域。旧江戸崎町は1889年(明治22)町制施行。1954年(昭和29)高田、鳩崎(はとざき)、君賀(きみが)、沼里(ぬまさと)の4村と合併した。2005年(平成17)稲敷郡新利根町(しんとねまち)、桜川村(さくらがわむら)、東町(あずままち)と合併して市制施行、稲敷市となった。旧町域は国道125号、408号、県道が通じ、これらによりJR常磐(じょうばん)線の土浦、荒川沖、牛久(うしく)の各駅や、龍ケ崎(りゅうがさき)、千葉県佐原(さわら)、成田などの各地と結ばれる。とくに新東京国際空港(現、成田国際空港)建設後は交通量が増加した。霞ヶ浦(かすみがうら)南岸に注ぐ小野(おの)川下流部の入り江、榎浦(えのうら)に臨む稲敷台地を占める。中世は土岐(とき)氏、蘆名(あしな)氏の城下で、江戸時代に廃城され幕府直轄地となった。霞ヶ浦の河港として発達し、水運と郡政の中心地であった。榎浦は1957年までに干拓されて水田となり、台地はラッカセイ、カボチャ、スイカ、養豚など農業が盛大である。酒、しょうゆの産もある。
[櫻井明俊]
『『江戸崎町史編さん資料』(1987・江戸崎町)』