謡諺(読み)ようげん(その他表記)yáo yàn

改訂新版 世界大百科事典 「謡諺」の意味・わかりやすい解説

謡諺 (ようげん)
yáo yàn

謡言とも書く。中国において,謡とは,厳密に言えば楽器に合わせないで肉声に節をつけた短い歌であり,諺とは里俗の間の言い伝え,雑歌を意味し,ともに韻語であるが,広い意味で謡諺とは,ことわざを指す。ただし,民間で口誦された韻語で,古典から引用した故事,熟語とは本来異なったものである。農事・気象・風土・生活知識を内容としてもつほか,中国の謡諺の特徴として,世人の治者階級に対する訓戒,風刺,予言の要素が大きい。中国最古の歌謡集《詩経》には,統治者に対する民衆の諷喩の詩が多く,それらはある意味では謡諺を集めたものともいえる。ほかに,中国では王朝交替にあたってしばしば予言的意味を込めた謡諺が登場する。それは,統治者に対する批評を謡諺に込め,共通する周知の喩を引用することで,引用者の論の正当化・権威化をはかることを目的にする。現代中国の権力闘争において,しばしばことわざが引用されるのも,かかる伝統にもとづいているのである。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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