貝形類(読み)カイケイルイ

最新 地学事典 「貝形類」の解説

かいけいるい
貝形類

学◆Ostracoda 英◆ostra-cods

節足動物門甲殻綱の一亜綱。介形目,オストラコーダとも。体は小さく,左右不同の石灰質の背甲に包まれている。半円形の背甲は背縁部で接合し二枚貝状を呈する。体長はふつう0.5~4mm,最大で10mmに及ぶ。分節不明瞭。遊泳に用いられる2対の触角,3対の鰓,1対の複眼,1個の単眼,2対の肢をもつ。雌雄異体,殻の大きさが雌雄により異なる。脱皮は完全。あらゆる水域に生息。石灰岩・頁岩・砂岩中に多産し,進化の速度が速いので示準化石として重要。分布が広く,各種の岩相から産出するので地層の対比にきわめて有効である。殻表の突起,溝等の装飾,左右両殻の接合のしかた,殻の内側の靱帯のあとにより分類する。Palaeocopida(オルドビス~ペルム紀),Podocopida(オルドビス紀現世),Myodocopida(オルドビス紀~現世)など5目に分ける。カンブリア紀後期~現世。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「貝形類」の意味・わかりやすい解説

貝形類
かいけいるい

節足動物門甲殻綱貝形亜綱Ostracodaの海産動物の総称。全世界で約3000種が知られており、そのうち約3分の2が淡水産である。池沼、水田、一時的な水たまりなどにすむほか、海産種は浅海底から深海底まで広く分布している。一般に殻長1ミリメートルほどの微小種で、左右2枚の殻で完全に包まれている。左右の殻は背側正中線で接し、靭帯(じんたい)と閉殻筋の作用によって開閉する。殻の外形が変化に富むほか、剛毛をもつもの、いぼ状、あるいはとがった突起をもつものなど多様である。体は殻内にあるが、殻の前方から2対の触角を出して遊泳し、また泥土上を歩く。雌雄異体であるが、一般に雄が少なく、淡水産の種では単為生殖もまれではない。

 貝形亜綱は四つの目に分類されるが、ミオドコーパ目に属する発光性のウミホタルValgura hilgendorfiやポドコーパ目のソコカイミジンコCythere luteaおよび淡水産のマルカイミジンコNotodromus monachaなどは各地に少なくない。

[武田正倫]

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世界大百科事典(旧版)内の貝形類の言及

【貝虫類】より

…体は二枚貝様の背甲か殻によって,左右より完全に包まれ,この殻の中に完全に体を収めることができ,したがって小さな二枚貝とまちがうこともある。貝形類または介形類ともいう。殻の大きさ0.5~2.5mmくらいの小型の甲殻類で,淡水,海水域ともに多数の種類がある。…

※「貝形類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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