最新 地学事典 「貝殻構造」の解説
かいがらこうぞう
貝殻構造
shell structure
軟体動物の腹足類・掘足類・二枚貝類の殻は殻皮と殻質層からなる。殻皮は種々のアミノ酸からなる硬タンパク質で,殻質層はCaCO3(方解石・アラゴナイト)の微結晶からなる無機相と,タンパク質・多糖類からなる有機基質から構成される。殻質層はCaCO3微結晶の集合様式の違いによって大別し,次のような型に分けられる。稜柱構造(prismatic structure),真珠構造,葉状構造(foliated structure, 方解石の細長い平板状小片からなりcalcitostracumまたはcalciostracumとも),交差板構造(crossed lamellar structure, アラゴナイトの微小な直方体小体が長軸を同一方向に向けて集合体を形成し,その集合体がある角度をもって交互に配列する),混合稜柱構造(composite prismatic structure, アラゴナイトの針状結晶が杉の枝状に集合),pellucid structure(筋痕部に形成される,微柱状のアラゴナイトからなる薄層。ミオストラカムあるいは光輝層とも)。なお,porcellaneous structureは貝殻構造の一形式を指す用語ではなく,肉眼的に乳白色を呈し不透明である殻質層に対して用いられる名称で,交差板構造や混合稜柱構造などからなる部分を一括して指す用語である。
執筆者:小林 巌雄・島本 昌憲
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

