岩石学辞典 「葉状構造」の解説
葉状構造
② foliated structure: 薄い層または葉状のもので構成されている岩石の構造で,結晶片岩で鉱物が平行配列や,波状や層状などの配列をする際の記載によく使われる[MacCulloch : 1821].
③ foliation: 鉱物の集合体の中で,板状または葉片状の鉱物結晶が多数積重なったような鉱物縞が面的に配列した構造を示すもの.火成岩にも変成岩にも使用する.ダーウィンにより最初に使用された語であるが[Darwin : 1846],後にハーカーは特定の鉱物の集合体による組成的な層状のものを示すと定義した[Harker : 1932].しかし,片理をいうもの,劈開と片理と片麻状組織を合わせたものをいうもの,さらに火成岩の鉱物配列による平行な面をいうものなど,人により使用がまちまちである.変成作用の過程で平らな形の鉱物が偏析して,方向配列をした鉱物の集合体がレンズ状または不規則な層を作り,しばしば一種類の鉱物が卓越している.さらに劈開や片理なども含み,一般に変成岩の中の面状構造に使用する.片岩に最も卓越しており,層状またはレンズ状の平行配列をしている.葉状組織が肉眼的にフェルト状の結晶の集合でできている場合を閉じた葉状組織(closed foliation)といい,肉眼的に互いに不連続的で関係のない鉱物による組織の場合に開いた葉状組織(open foliation)という.火成岩でも特定の葉状の鉱物が優先配列をする場合に用いる.