貨幣・財政整理事業(読み)かへいざいせいせいりじぎょう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

貨幣・財政整理事業
かへいざいせいせいりじぎょう

日露戦争の過程で朝鮮を実質的に軍事占領した日本が、行政百般の基礎である財務の実権を収めるために行った収奪事業。宮中・府中が未分化であった財政や混乱した朝鮮の貨幣を整理し、より多くの国有財産の捻出(ねんしゅつ)と、商品および資本輸出の安定した市場化を企図したものであった。朝鮮経営の財源を朝鮮人民から捻出し、顧問政治、統監政治、総督政治への移行に本格的に着手したことを意味している。とりわけ新貨交換過程で日本の財政顧問は、旧貨を操作して意図的に価格を暴落させたり、日本商人にだけ交換基準を内示するなど差別的・詐欺的に交換作業を強行した。それは徐々に発達しつつあった朝鮮人ブルジョアジーの貨幣財産を根こそぎに収奪し、第一銀行や日本商人に巨富をもたらし、日露戦争の戦資にも充当された。日本資本主義の本格的進出の露払いであった。[姜 徳 相]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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