買被(読み)かいかぶり

精選版 日本国語大辞典 「買被」の意味・読み・例文・類語

かい‐かぶり かひ‥【買被】

〘名〙
① 物を、実際の値打以上に高く買うこと。買いかずき。
浄瑠璃三浦大助紅梅靮(1730)三「ヤア三百両の金が欲しさに云瞞(くる)め、見せかけ律義の拵へ物、買被(カヒカブ)りさせうでな」
② 人や物を実質以上に高く評価したり、信用したりすること。
※春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉壱円紙幣の履歴ばなし「西洋学者と聞けば一も二も神のやうに貴(たっと)がるもあれどさるは買(カヒ)かぶりの骨頂也」

かい‐かぶ・る かひ‥【買被】

〘他ラ五(四)〙
① 物を、実際の値打以上に高く買う。買いかずく。
歌舞伎・上総綿小紋単地(1865)六幕「お前に泣いて口説かれるので、五十か六十いつでも買ひかぶらあ」
② 人や物を実質以上に高く評価したり、信用したりする。
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉上「女親はお銀の容色(きりゃう)をば、たしかに実価の五倍も買冠(カヒカブ)ってゐて」

かい‐かず・く かひかづく【買被】

〘他カ四〙 物を実際の値より高く買う。買いかぶる。買いかつぐ。
浮世草子世間胸算用(1692)一「棺桶一つ樽屋まかせに買かづきて今に心かかりなり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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