大学事典 「貸与奨学金」の解説
貸与奨学金
たいよしょうがくきん
奨学金は給付奨学金と貸与奨学金の2種類に大別される。給付奨学金は返還の必要がない奨学金であるが,これに対して貸与奨学金は返還することを前提として借りる奨学金である。現在,日本学生支援機構をはじめ,地方公共団体,大学,公益法人,営利法人などが多様な奨学金事業を実施しているが,その多くは貸与型である。日本学生支援機構の貸与奨学金事業費は2016年度予算で約1兆1000億円で,貸与人員は134万人にのぼる。大学院・大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)の学生の約4割が利用している。
なお,日本学生支援機構の貸与奨学金には無利子の第1種奨学金と有利子の第2種奨学金があるが,貸与総額の比率はおよそ1対2.4となっており,第2種奨学金の規模が大きい。前者の財源が一般会計の政府貸付金と返還者からの返還金等であるのに対し,後者の財源は財政融資資金等と返還者からの返還金で構成されている点が大きく異なる。貸与奨学金の返還については,第1種奨学金の2017年度新規貸与者より,従来の定額返還方式に加えて新たに所得連動返還方式が導入され,返還方法の柔軟化が図られた。
著者: 吉田香奈
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報