国が財政融資資金特別会計国債収入、特別会計の積立金や余裕金を、地方公共団体や法人に融資する資金。財政融資資金は財政融資資金法(昭和26年法律第100号)により設置されたが、その目的は、「政府の特別会計の積立金及び余裕金その他の資金で法律又は政令の規定により財政融資資金に預託されたもの、財政投融資特別会計の財政融資資金勘定の積立金及び余裕金並びに当該勘定からの繰入金を統合管理し、その資金をもつて国、地方公共団体又は特別の法律により設立された法人に対して確実かつ有利な運用となる融資を行うことにより、公共の利益の増進に寄与すること」であった。その実現のため、財政融資資金の運用に関する歳入歳出を一般会計と区分して経理する特別会計が設置され、2000年度(平成12)までは資金運用部特別会計、2001~2007年度までは財政融資資金特別会計とよばれていたが、2008年度からは財政投融資特別会計(財政融資資金勘定)となった。
2001年度に財政投融資の抜本的見直しが行われ、資金調達においては郵便貯金、年金積立金の資金運用部への全額預託義務が廃止され、市場での全額自主運用の仕組みに改められた。また、特殊法人等が行う財投事業においては、民業補完という視点で事業を見直すとともに、真に必要な事業の資金調達については、特殊法人等(財投機関)自身が財投機関債の発行により市場で自主調達することとし、さらに必要な資金需要に限り、国(財政融資資金)が国債(財投債)の発行により市場で資金を調達して、貸し付けることとした。
現在は特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)により、財政投融資特別会計の財政融資資金勘定として、ほかの政府資金と区分して経理される。2009年度当初予算額における歳出額は34兆8875億円である。
[林 正寿]
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