赤引(読み)あからひく

精選版 日本国語大辞典 「赤引」の意味・読み・例文・類語

あから‐ひく【赤引】

  1. ( 「ひく」は「引く」で、帯びる意を表わし、「あからひく」は赤くなるの意。実景描写を兼ねて用いる )
  2. 夜が明けていく意で、「日」「朝」「昼」にかかる。
    1. [初出の実例]「ぬばたまの 夜はすがらに 赤羅引(あかラひく) 日も暮るるまで 嘆けども」(出典万葉集(8C後)四・六一九)
  3. 赤みを帯びた美しい肌の意で、「肌」や「子」にかかる。
    1. [初出の実例]「朱羅引(あかラひく)色妙(しきたへ)の子をしば見れば人妻ゆゑに我(あれ)恋ひぬべし」(出典:万葉集(8C後)一〇・一九九九)

あか‐ひき【赤引】

  1. 〘 名詞 〙
  2. あからひき(赤引)
  3. あかじゅく(赤熟)
    1. [初出の実例]「赤引生糸四十斤」(出典:皇太神宮儀式帳(804))

あから‐ひき【赤引】

  1. 〘 名詞 〙 赤い色を帯びること。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の赤引の言及

【鳳来[町]】より

…製材など地場産業のほか,1960年代後半から電気機器,輸送機器などの工場が進出した。鳳来寺山には鳳来寺や鳳来山東照宮があり,阿寺ノ七滝,湯谷(ゆや)温泉(含塩化土類食塩泉,25℃),赤引温泉(放射能泉,20℃),長篠城跡(史)など名所や史跡に恵まれ,また鳳来寺田楽(重要無形民俗文化財)のような郷土芸能も多く残る。【萩原 毅】。…

※「赤引」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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