最新 地学事典 「走時表」の解説
そうじひょう
走時表
travel-time table
地震波のP波・S波など各相の走時(震源でのずれ破壊の開始時から観測点で各相が記録され始めるまでに経過した時間)を震央距離の関数として示した数表。いろいろな震源の深さに対して与えられる。古来,多くの走時表がつくられた。今日,最も広く使われているのはB.L.N.Kennett編のIASPEI 1991の走時表である。この表ではP波・S波については震源の深さが0・15・35・50kmおよび50~700kmでは50kmごとで,震央距離1°ごとに走時が与えられている。さらに表面反射波,核による反射波,核内を通る波,核による回折波などについても走時が与えられている。しかし,狭い地域の震源決定にはそれぞれの地域の速度構造に適した走時表が用いられ,気象庁では日本周辺の地震に対し,市川政治ほかの走時表を修正した浜田信生の83A走時表が,千島海溝南部と三陸はるか沖の地域を除き震源決定に用いられている。
執筆者:宇佐美 龍夫・石川 有三
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

