超伝導素子(読み)ちょうでんどうそし(英語表記)superconducting element

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「超伝導素子」の意味・わかりやすい解説

超伝導素子
ちょうでんどうそし
superconducting element

超伝導体を用いた回路素子。現在最も多く利用されているのは,2つの超伝導体が薄い絶縁膜でへだてられているとき,電子対がトンネル効果により絶縁膜を通過するために,電流が流れることを利用したジョセフソン効果素子 (→ジョセフソン素子 ) である。この素子は演算,記憶などの情報処理を行わせることができ,コンピュータへの応用に期待が寄せられている。また計測用としてはこの素子が磁界の影響に非常に敏感であることを利用して,10-11~10-13A という微小電流の測定が可能である。また物質の磁化を非常に高感度で測定するのにも用いられる。ほかに高周波電磁界に対しても敏感であることを利用して,マイクロ波遠赤外線の検出器としても利用される。また磁界または温度の変化による伝導度の変化を電流調節に利用する。またスイッチング素子として使用すれば,超大型のコンピュータに最適といわれている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android