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超音速分子ビーム(読み)ちょうおんそくぶんしビーム(その他表記)supersonic molecular beam

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「超音速分子ビーム」の意味・わかりやすい解説

超音速分子ビーム
ちょうおんそくぶんしビーム
supersonic molecular beam

中性分子から成る高速の流れのこと。試料気体そのもの,あるいはヘリウムなど不活性ガスを含む試料蒸気を小さなノズルから真空中に噴出させることにより得られる。気体の自由行程がノズルの直径より十分小さいとき,真空中に噴出された分子は分子間で衝突を繰返しながら次第に並進速度のそろった流れを形成し,ついには超音速流となる。このとき,分子は並進温度の低下とともに回転,振動の温度も低下する。したがって,超音速分子ビーム中の分子は極低温の孤立分子となる。ほかの方法ではこのような孤立分子を得ることがむずかしい。レーザー分光学の発展とともに,このような孤立分子の励起状態の構造とその動的過程,弱い結合エネルギーをもつファン・デル・ワールス分子 (→ファン・デル・ワールス力 ) の存在とその構造などが研究されている。

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