超高速素子(読み)ちょうこうそくそし(その他表記)high-speed device

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「超高速素子」の意味・わかりやすい解説

超高速素子
ちょうこうそくそし
high-speed device

高速で動作する電子素子総称。超高速スイッチング (遅延時間で数十ピコ秒以下) が可能な素子を超高速素子と呼び,これに対して超高周波 (数十 GHz以上) の発振増幅が可能な素子を超高周波素子と呼んで区別することが多いが,いずれも大まかな定義である。主要な超高速素子には次のような種類がある。 (1) シリコントランジスタ:バイポーラ型と MOS型がある。前者が高速で,現在 10~20ピコ秒のスイッチング動作が可能となっている。 MOS型は動作が少し遅いが,高集積化に適する。 (2) 化合物半導体トランジスタ:これには,ショットキーゲート型電界効果トランジスタ (MESFET) ,ヘテロバイポーラトランジスタ (HBT) ,量子的な2次元電子チャンネルを用いた高移動度電界効果トランジスタ (HEMT) がある。使われる半導体は GaAs,GaAs-AlAs混晶,GaAs-InP混晶などである。いずれの素子も5~10ピコ秒のスイッチング動作が可能である。 (3) ジョセフソン素子:2つの超伝導体間のトンネル効果を利用したもので,2~5ピコ秒のスイッチングが可能である。ニオブなどの金属材料が使われる。動作には極低温を要する。

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