越中山遺跡(読み)えっちゅうやまいせき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「越中山遺跡」の意味・わかりやすい解説

越中山遺跡
えっちゅうやまいせき

山形県鶴岡市越中山にある,後期旧石器時代から中石器時代にかけての遺跡群の総称赤川と梵字川の右岸に発達した立岩段丘群中,洪積低位の大鳥苗畑面 (GtII面,標高 100m) と中位の越中山開拓地面 (GtI面,標高 130m) の二つの広大な段丘面に立地している。石器群の包含層はいずれも段丘を覆う鶴岡ローム層の最上部である。 GtII面のA遺跡は,1958年東北地方で最初に発掘調査された旧石器時代遺跡である。その後,致道博物館 (鶴岡市) ,山形大学,朝日村教育委員会が協同調査を実施。少なくとも四つの階程の石器文化が明らかにされており,(1) 国府型ナイフ形石器を主体とするもの (K遺跡) ,(2) 半両面加工尖頭器,ナイフ形石器を伴うもの ( A' 遺跡) ,(3) 細石刃を主体とするもの (S,M遺跡など) ,(4) 両面加工尖頭器を主体とするもの (A遺跡) があることがわかった。

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世界大百科事典(旧版)内の越中山遺跡の言及

【山形[市]】より

…山形県中央東部に位置する県庁所在都市で,県下一の商工業都市でもある。1889年市制。人口25万4488(1995)。山形盆地の南部に位置し,南は上山(かみのやま)市,北は天童市に接し,市域の東部は蔵王山頂を含む奥羽山脈,西は白鷹丘陵の山地である。奥羽山脈から西流する立谷(たちや)川や馬見ヶ崎(まみがさき)川は盆地東半に扇状地を形成し,中央平野部を北流する須川に注ぐ。気候は内陸性で気温の較差は大きいが,積雪量は年平均20~30cmで県内平地では比較的少ない。…

※「越中山遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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