発掘(読み)はっくつ

精選版 日本国語大辞典 「発掘」の意味・読み・例文・類語

はっ‐くつ【発掘】

〘名〙
土中にあるものを掘り出すこと。〔音訓新聞字引(1876)〕 〔漢書‐師丹伝〕
考古学で、地表下に埋蔵された遺物遺跡を掘り出すこと。また、その作業
※磯(1951)〈竹山道雄〉「先史時代古墳が発掘されたそうで」
③ 人に知られていないすぐれたものを探して世に出すこと。
※裸の日本人(1958)〈佐藤忠男〉I「地方多くの有為な人材を発掘したことが」

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デジタル大辞泉 「発掘」の意味・読み・例文・類語

はっ‐くつ【発掘】

[名](スル)
地中に埋もれているものを掘り出すこと。「埋蔵金発掘される」
考古学で、埋もれた遺跡を掘り出す作業。「ピラミッド発掘調査
世間に知られていないすぐれた人やものを見つけ出すこと。「隠れた人材を発掘する」
[類語]スカウト抜擢ばってき起用登用挙用ヘッドハンティング選ぶ拾い上げる取り立てる引き抜く白羽の矢が立つ

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世界大百科事典 第2版 「発掘」の意味・わかりやすい解説

はっくつ【発掘】

一般に土中その他に埋没して直接見ることのできない状況におかれている物件を,実見しうる状況に露出する行為をいうが,とくに遺跡において,考古学者が遺構や遺物を検出する作業行為を指すことが多い。ただしそのうちで,土地等を掘削する行為のみを発掘と呼ぶこともある。たとえば,現行文化財保護法では,遺跡を土木工事等で掘削することを〈土木工事等のための発掘〉とし,考古学の調査を〈調査のための発掘〉と呼んで,一応この二つの行為を区別しているが,いずれにおいても〈発掘〉は土地の掘削のみを指す言葉となっている。

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百科事典マイペディア 「発掘」の意味・わかりやすい解説

発掘【はっくつ】

考古学の基本的作業で,遺跡,遺物を掘り出すこと。それらが作られ使用された時代に最も近い状態で出現させ,遺存の状態からその当時の人間の生活状態や行動を探究する。測量,ボーリング,地下探査などによって発掘地点を決定,発掘区を設定して層位に従い掘下げる。遺物,遺構については客観的に記録し,それらの出土状況の詳細な測量図を作成し,古環境復元のためのサンプリングを行う。発掘調査の終了後発掘報告を発表する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「発掘」の意味・わかりやすい解説

発掘
はっくつ

地下に埋もれた考古学的資料を科学的方法によって掘出して,過去の文化状況を明らかにしようとする行為。いったん発掘を進行させてしまえば,既存の状態を破壊することになるので,予備調査,記録,手段,観察,保存などの面にわたって細心の注意が要求される。遺跡の発掘,出土遺物の整理,検討,研究,報告の段階を経て,発掘行為は完結する。

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防府市歴史用語集 「発掘」の解説

発掘

 地下を掘り起こすこと全てをさします。工事で地面を掘ることも発掘になります。しかし、ここでは地下を掘って、昔の人が生活していた跡などを探すことを指します。

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普及版 字通 「発掘」の読み・字形・画数・意味

【発掘】はつくつ

掘る。

字通「発」の項目を見る

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世界大百科事典内の発掘の言及

【考古学】より

…考古学は古い時代のみを研究する学問と考えられがちであるが,その取り扱う時代範囲にはなんらの制限もない。実際に北海道では明治期の開拓使関係の遺跡のような新しい遺跡の発掘も行われている。 考古学の属する上位の学問区分については,歴史学とする立場と人類学とする立場とがある。…

※「発掘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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