足久保村(読み)あしくぼむら

日本歴史地名大系 「足久保村」の解説

足久保村
あしくぼむら

[現在地名]静岡市足久保奥組あしくぼおくぐみ足久保口組あしくぼくちぐみ

安倍川下流右岸、同川に合流する足久保川沿いの狭い谷間に位置し、南は内牧うちまき村・中之郷なかのごう村。谷の入口より奥までは二里と深い。足久保七郷とよばれ、口村組ははら奥村組敷地しきじ相沢あいざわ栗島くりしま谷沢やざわ長島ながしま作尾つくりやうに分れ、原はさらに諸川もろがわ神明しんめい・原・安岡(八十岡)舟沢ふなんざわに分れる(駿河記・駿河志料)。戦国期には足窪と書く。天文一八年(一五四九)八月一一日の駿府浅間社社役目録(村岡大夫文書)によると、浅間社(静岡浅間神社)の八月行事の青山放生会流鏑馬の経費を負担する郷村の一つとして「足窪」がみえ、七三四文が当てられている。その内訳として「此内五十文式地、同せうか一束、同栗島五十文、せうか一束百卅、あいさハせうか一束二百文、内巻五十文、あしくほの原せうか一束、同百文、内巻大岩殿方」と記される。これとほぼ同文のものが、永禄元年(一五五八)八月一三日に今川氏朱印状(静岡浅間神社文書)として出されている。以上より、戦国期の足窪には式地(敷地)・栗島・鮎沢(相沢)内巻うちまき・足窪原などが含まれており、足窪原は現在の足久保口組であろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android