精選版 日本国語大辞典 「躑躅科」の意味・読み・例文・類語
つつじ‐か‥クヮ【躑躅科】
- 〘 名詞 〙 双子葉植物の科名。五〇属一三五〇余種が含まれ、広く世界中に分布するが、熱帯では高山に限られ、また、砂漠には分布せず、オーストラリアには種類が少ない。木本(もくほん)で小低木が多く、高木は少ない。また、半寄生のものもある。葉には托葉がなく、常緑性のものと、落葉性のものとがある。落葉性の種の冬芽は鱗片に包まれる。花は普通両性で、放射相称、頂生または腋生(えきせい)する種々の花序をなす。萼は四~五裂、花冠は四または五裂で釣鐘形、または漏斗状となる。雄ずいは通常八~一〇。葯(やく)には普通付属物がある。子房は上位で四または五心皮より成るが、子房下位の仲間もある。各室に一つまたは多数の胚珠がある。果実は蒴果、石果、または液果。この科に属する自然群は互いに花序、がく片の数、花冠の形、および雄ずいなどについて異質の形態を示し、それらをもととして四つの亜科に分けられることがある。クロマメノキのように液果をつけるものはほとんどが食用となる。この仲間は、ツツジ、シャクナゲをはじめとして花の美しいものが多く、広く世界中で栽培されている。シャクナゲ科。