身を投げる(読み)ミヲナゲル

デジタル大辞泉 「身を投げる」の意味・読み・例文・類語

・げる

投身自殺をする。「屋上から―・げる」
からだを投げ出すようにして速く走る。
「狐、―・げて逃ぐれども」〈宇治拾遺・一〉
物事に熱中する。
「鞠に―・ぐる若君達」〈・若菜上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「身を投げる」の意味・読み・例文・類語

み【身】 を 投(な)げる

  1. 身投げをする。投身する。入水(じゅすい)する。
    1. [初出の実例]「世中のうきたびごとに身をなげば深き谷こそあさくなりなめ〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇六一)
  2. 体を投げうつようにして速く走る。ころげるように走る。身を捨てる。
    1. [初出の実例]「狐、身をなげて逃ぐれども」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一)
  3. わが身を顧みず物事に熱中する。心を打ち込む。
    1. [初出の実例]「身をなげてあはむと人に契らねどうき身は水に影をならべつ」(出典:大和物語(947‐957頃)一四七)
    2. 「鞠に身をなぐる若君だちの」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  4. 身を隠す。身を没す。
    1. [初出の実例]「身なぐとも人に知られじ世の中に知られぬ山を知る由もがな〈賀朝〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑二・一一六三)

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