最新 地学事典 「転位クリープ」の解説
てんいクリープ
転位クリープ
dislocation creep
すべり面に沿う転位のすべりとすべり面から離れる転位の上昇による高温型塑性変形。歪み速度が応力の累乗に比例することから,累乗則クリープ(power-law creep)とも。温度が融点の半分以上くらいになると結晶内拡散が急速に起こるようになり,上昇によって転位は障害物を迂回して動いたり,転位どうしが合体消滅をすることが可能になる。変形による転位密度の上昇と転位の再配列による回復が釣り合えば,変形の定常状態が出現。転位クリープによる変形の活性化エネルギーは,最も移動の遅い原子の自己拡散の活性化エネルギーにほぼ等しい。累乗流動則の説明としては,すべり面上の転位増殖源と隣り合うすべり面間での上昇による転位の合体消滅を考慮したJ.Weertman(1968)のモデルが有名。応力が低いときには,歪み速度が応力に比例する線形クリープが認められる場合があり(Harper-Dorn creep),これは低応力下では転位密度が応力に依存しなくなるためではないかといわれている参考文献:H.J.Frost et al.(1982) Deformation-Mechanism Maps, Pergamon Press
執筆者:嶋本 利彦
参照項目:拡散クリープ
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

