同じ数、あるいは同じ文字を何回か掛け合わせること、また、掛け合わせた結果をいう。なお、その結果を「べき」(羃(べき)、巾(べき)とも書く)ともいう。a×aはa2、a×a×aはa3のようにaをn個掛け合わせたa×a×a×……×a(n個)をanと書き、aのn乗と読む。aの右肩につけた小さな数字nは、掛け合わせた個数を示すもので指数という。a=a1,a2,a3,……,anをまとめて、aの累乗という。a2(aの平方)、a3(aの立方)は、aの累乗に含まれる。
累乗の意味を拡張することがある。aを0でない数とするとき、a0=1と定める。また、nを正の整数とするとき、a-n=1/anと定める。たとえば10-2=1/102=1/100。このように定めると、指数が0や負の整数になる累乗を考えることができる。
累乗を使うと、どのような数もx×10nの形(xは整数部分が一桁(けた)の数、nは正・負の整数)に表される。これは計算機などに使われている。
累乗については、次の指数法則が成り立つ。
am×an=am+n, (am)n=amn,
(ab)n=anbn
さらに、
am÷an=am-n (m>n), 1(m=n),
1/an-m (n>m)
(ただし,m,nは正の整数と
する)
aが1より大きい数のとき、anは、nが大きくなるとともに大きくなっていき、nが限りなく大きくなるとanも限りなく大きくなる。aが1より小さい正の数のとき、anは、nが大きくなるとともに小さくなっていき、nが限りなく大きくなると、anは0に限りなく近づいていく。
[三輪辰郎]
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…一つの数,変数,式,または関数を何回か掛けた積を,もとの数,変数,式,関数のべき,あるいは累乗という。x×x,x×x×x,……を,それぞれx2,x3,……で表し,xの2乗,xの3乗,……という。…
※「累乗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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