20世紀日本人名事典 「辻久一」の解説
辻 久一
ツジ ヒサカズ
昭和期のシナリオライター,映画プロデューサー
- 生年
- 大正3(1914)年3月18日
- 没年
- 昭和56(1981)年1月3日
- 出生地
- 兵庫県
- 別名
- 筆名=野上 徹夫
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学文学部ドイツ文学科〔昭和10年〕卒
- 経歴
- 東大在学中から映画評論の筆を執り始め、雑誌「映画評論」の常連執筆者に。また「シナリオ研究」「劇作」にも寄稿。明大文芸科講師となるが、昭和14年に召集を受け、中国に出征。上海軍報道部勤務となり、日本軍占領下の映画行政に当たる。18年に除隊して、中華電影に入社、国際合作処所属。21年引揚げ、大映京都撮影所に入社。溝口健二監督作品「雨月物語」「山椒大夫」をはじめ、数多くの作品をプロデュースし、31年に企画部長となる。46年大映倒産により退社後は、浪速短大教授、映倫管理委員会審査員を務め、「東芝日曜劇場」などのテレビドラマに健筆をふるった。シナリオの代表作に、映画「新平家物語」、テレビ「かみさんと私」などがある。48〜55年映倫管理委員を務めた。著書に「中華電影史話―一兵卒の日中映画・想記」。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報