精選版 日本国語大辞典 「送仮名」の意味・読み・例文・類語
おくり‐がな【送仮名】
- 〘 名詞 〙
- ① ( 国語文の表記にいう場合 ) 漢字の読み方をはっきりさせるために、その字の下につけるかな。用言の活用語尾であることが多い。また、字音の韻尾を示すために補うかなをいう。
- [初出の実例]「入声にふつくちきと云をくり仮名ありと云ふは此を云ぞ」(出典:史記抄(1477)五)
- 「語尾変化せざるものは送仮名を附せず。〈略〉語尾変化するものは其変化する所より写して送仮名とす」(出典:送仮名法(1894)〈内閣官報局〉総則)
- ② ( 漢文の訓点にいう場合 ) 訓読表記のために記入するかたかなの総称。助詞、助動詞などを含めていい、漢字の右下に記入するのを原則とする。そえがな。捨てがな。
- [初出の実例]「ここに本あり資とよみは点ぜいでをくりがなにありと点じたぞ」(出典:玉塵抄(1563)九)
送仮名の語誌
( ①について ) 送り仮名の付け方についての規範意識は近世になって生じた。明治になって組織的な規則を定めた①の挙例「送仮名法」が出た。