過剰歯(読み)かじょうし(英語表記)supernumerary tooth

  • (歯と歯肉の病気)
  • Supernumerary teeth
  • かじょうし〔クワジヨウ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

定数以上に発生する。人間の歯の数は,永久歯は切歯8,犬歯4,小臼歯8,大臼歯 12の合計 32本であり,乳歯は切歯8,犬歯4,臼歯8の合計 20本である。過剰歯の発達にはいろいろの程度があり,円錐歯,栓状歯と呼ばれるような退化形の小さいものから正常な歯と区別できないものまである。位置も,第3小臼歯や第4大臼歯と呼ばれるような歯列のなかに入っているものと,歯列からはずれている列外歯とがある。過剰歯は哺乳類の歯の祖先型が合計 44本であるため,先祖返り現象とも考えられ,また歯の発生の際の歯胚の分裂しすぎとも考えられる。

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六訂版 家庭医学大全科の解説

どんな病気か

 歯を形作る原基(歯胚(しはい))が過剰に形成されたり、1個の歯胚が分裂することで、歯が正常な数より多く作られる場合があります。これを過剰歯と呼びます。

 真っすぐ歯列内に生えてくる場合もありますが、歯列外に生えてくるものや正常に生えることができず埋伏歯(まいふくし)になるものもあります。歯の形は、正常に近いものから退化傾向により不完全な形を示すものまでさまざまです(図22)。

原因は何か

 原因ははっきりしていません。人間が進化する過程で徐々に失われてしまった歯が突然再び現れた結果であるという説や、遺伝的要素、外傷によって形成初期の歯胚が分割してしまうなど、さまざまな説があげられています。

症状の現れ方

 乳歯では過剰歯の発現はまれです。永久歯の過剰歯が現れる場所として、上あごの前歯の間、上下の親知らず(智歯(ちし)・第三大臼歯(きゅうし))の後方などに出てくることが比較的多いといわれています。過剰歯があると歯列に乱れが生じやすく、とくに上あごの前歯部に出てくる場合は正中離開(せいちゅうりかい)(コラム)の原因になります。さらに過剰歯が生える過程で、周囲の歯を圧迫して歯の根を溶かしたり、歯の動揺を大きくしたりすることもあります。

治療の方法

 過剰歯は、噛み合わせや周囲の歯に悪影響を及ぼすおそれがある場合、一般的に抜歯の対象になります。骨の深い位置に埋伏した過剰歯のように、とくに悪影響を及ぼさなければ抜歯しない場合もあります。

森山 啓司


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世界大百科事典内の過剰歯の言及

【歯】より

…次いで上顎側切歯,次に第2小臼歯が欠けやすい。ときに正常より歯数が多いことがあり,これを過剰歯という。上あごの切歯部に多くみられる。…

※「過剰歯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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