朝日日本歴史人物事典 「遠武秀行」の解説
遠武秀行
生年:弘化1.1(1844)
明治時代の海軍軍人,実業家。明治前期の海運・造船事業の発展に力を注いだ。鹿児島藩士。廃藩置県後,兵部省に入り海軍部に属す。明治8(1875)年に横須賀造船所長となり,11年欧米造船所の視察後,国内の民間造船所の間接保護を開始。また13年に東京風帆船会社社長,15年には同社を併合した共同運輸会社の副社長となり,三菱会社との海運競争に活動した。18年海軍省主船局副長,19年海軍大佐,24年予備役。その後は日本鋳鉄株式会社,鋳鉄製造所の設立に関与し,鋳鉄事業の振興に努力した。<参考文献>山口和雄・小風秀雅『近代日本海運生成史料』
(小風秀雅)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報