那珂東郷(読み)なかとうごう

日本歴史地名大系 「那珂東郷」の解説

那珂東郷
なかとうごう

現那珂川町一帯に比定される中世の郷。弘安九年(一二八六)一〇月二九日の関東下知状案(有浦文書/鎌倉遺文二一)に「筑前国那珂東郷岩門拾分壱」とあることから郷域内に岩門いわどを含んでいたことがわかるが、郷の範囲など詳細は不明。嘉禎三年(一二三七)五月日の検校宗清処分状(石清水文書/鎌倉遺文七)によれば、山城石清水いわしみず八幡宮検校兼筥崎宮検校法印宗清からその子千手姫へ譲られた相伝の所領で、筥崎宮領であった。弘安九年閏一二月二八日の蒙古合戦并岩門合戦勲功地配分注文(比志島文書/鎌倉遺文二一)によれば、前年の岩門合戦の勲功地として那珂東郷岩門の金田六郎左衛門尉跡が一〇分割されて、肥前御家人斑島左衛門三郎ら一〇人の御家人に分与されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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