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預所 あずかりどころ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

預所
あずかりどころ

荘園制で,領家に代って下司公文ら下級荘官を指揮して土地,住民,年貢などの管理にあたる荘官。また,江戸時代,幕府が大名に預けて,その行政,年貢徴収を委託した直轄地。預地 (あずかりち) ともいう。

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デジタル大辞泉の解説

あずかり‐どころ〔あづかり‐〕【預所】

平安末期以後の荘園制で、荘官(しょうかん)の一。領主に代わって下司(げし)公文(くもん)などの下級荘官を指揮し、年貢徴集や荘地の管理などにあたった職。上司(じょうし)。あずかりしょ。
預かり地」に同じ。

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百科事典マイペディアの解説

預所【あずかりどころ】

中世,現地の荘官を指揮し,荘民に耕作させ,年貢・公事(くじ)を収納するなど,領家の代理者として荘務を預かり管理する職。〈あずかりしょ〉〈あずかっそ〉ともいう。在京する者,現地へ下向(げこう)する者などが存在した。
→関連項目安食荘阿【て】河荘穴太荘荒川荘大内荘大国荘大田荘大庭御厨関東御領公事久我荘雀岐荘雑掌倭文荘質侶牧隅田荘曾禰荘田仲荘天領名田荘西津荘沼田荘平野殿荘弓削島荘好島荘

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世界大百科事典 第2版の解説

あずかりしょ【預所】

江戸幕府の直轄領のうち,近接した大名・旗本もしくは遠国奉行に管理を委託した土地。預地(あずかりち)ともいう。もともと戦国大名の給人預け地としての蔵入地にその原型をおいており,豊臣政権が諸大名の領内に設定した太閤蔵入地の一部を引き継いだものである。江戸幕府は,これをしだいに代官支配地に変更しており,1713年(正徳3)には一時全廃したものの,20年(享保5)にふたたび復活した。29年には,会津藩12万石,福井・高田藩10万石,新発田・長岡藩6万石,鶴岡・姫路藩4万石など,奥羽・北陸地方譜代大名を中心に約60万石,佐渡奉行など遠国奉行が13万石余に及び,合計で幕領地総石高の約6分の1を占めている。

あずかりどころ【預所】

荘園を統括管理する職掌。鎌倉末期の法書《沙汰未練書》には〈預所者本所御領所務代官也〉とある。それまでの定使(じようし),,検校(けんぎよう),専当(せんとう)などに代わり,12世紀はじめころ,職(しき)の体系にもとづく中世荘園の確立にともなって出現する。本所の補任を受け,預所佃(つくだ),預所給田,預所名(みよう)などの給分を荘内に与えられる。しかし現実の預所の存在形態はきわめて多様である。まず在京預所在荘預所がある。

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大辞林 第三版の解説

あずかりどころ【預所】

荘園で領主に代わって荘地・荘官・年貢などの管理をする職。また、その役所。中司。あずかりしょ。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

預所
あずかりどころ

荘園(しょうえん)管理機関の一つ。「あずかっしょ」とも読み、「中司(ちゅうじ)」ともいう。領家(りょうけ)(領主)の代理者として下級荘官(公文(くもん)、下司(げし))を指揮し、荘地の管理や年貢、公事(くじ)の収納をつかさどった。発生期の荘園には単に「預(あずかり)」とよぶものがあり、専当(せんとう)や検校(けんぎょう)と並んで荘園を管理した。寄進地系荘園では、寄進者である領主や地主が預所に任命されて、それまでどおり実質的に荘園を管理する場合があった。寺領荘園では初め寺僧が、平安後期からは在地の武士が預所に任命されることが多くなった。預所の得分(とくぶん)は一定しないが、給田(きゅうでん)や佃(つくだ)を与えられた。とくに訴訟の場合に領家の代理となるものを雑掌(ざっしょう)といった。[阿部 猛]
『阿部猛著『日本荘園史』(1972・大原新生社)』

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世界大百科事典内の預所の言及

【天領】より

…政治・軍事上および財政・経済上から見て枢要な地帯に,天領が配置されていると理解できるが,なかんずく貿易港長崎と貨幣鋳造原料を産出する主要鉱山を直轄したことの意義は大きい。 天領の支配は,石高5万~10万石前後に1人の代官(郡代)を置いたが,一部は大名預地(預所(あずかりしよ))と称して近隣の藩に預けて年貢米の徴収を委託した。江戸には町奉行を置くほか,主要な拠点には遠国(おんごく)奉行(大坂,京都,駿府,伏見,奈良,堺,山田,日光,下田,浦賀,新潟,佐渡,長崎,箱館,兵庫(幕末),神奈川(幕末))を置いて支配した。…

【地頭代】より

…具体的には年貢の管理をはじめ地頭の権利・義務を代行し,領家との間に紛争が生じた場合には,地頭の訴訟代理人となって,訴状や答弁書をしたため訴訟の場に立つこともあった。ただし領家では《沙汰未練書》にあるごとく,所務の代官は預所(あずかりどころ)で,沙汰の代官は雑掌(ざつしよう)であったことからすれば,訴訟にあたった地頭代が,つねに地頭に代わって所務を執行した地頭代と同一人であったとはかぎらない。また,多く一族・郎等がこれに任ぜられたとはいえ,山僧,商人を任じた場合もあった。…

【地主】より

… 地主職は,この例にも見られるようにその土地は相伝・譲与され,また開発領主あるいはその所領の相伝者が,地主としての立場において所領を貴族・大社寺など有勢のものに寄進する場合もあった。1184年(元暦1)5月の後白河院庁下文(案)によれば,越前国河和田荘はもと藤原周子の先祖相伝の私領であったが,待賢門院のはからいで法金剛院に寄進し,その際〈地頭預所職〉は周子が留保して子孫相伝することになったという由来が述べられている。いわゆる寄進地系荘園成立の一例であるが,文中に〈当御庄者,是当預所帯本公験,代々相伝之地主也〉と記され,領家への荘園寄進によってその預所となった本来の領主が,その後も依然として地主と呼ばれていたことが判明する(仁和寺文書)。…

【上司】より

…荘園の経営に当たる上級荘官。下司(げし)に対する呼称で,一般には預所(あずかりどころ)をさす。《平戸記》には〈寛治の定文に依るべくんば,上司と申すべきは是預所也〉とある(ただし,例は少ないが預所を〈中司〉と呼ぶこともある)。…

【代官】より

…これは,中央貴族の所有する荘園が全国各地に分散したり,在地武士の開発所領が広大な面積をほこるようになるにつれ,彼らの直接支配が困難になったという事情によるものにほかならない。中央貴族の場合でいうと,荘園を知行する中央貴族を領家(りようけ)といったが,その領家のもとには荘園を支配・管理する役人として,預所(あずかりどころ)が存在しているのが一般的であった。しかし領家の荘園の数が増えるにつれて,預所はすべての荘園を直接管理することが困難になったため,預所代という代官を任命して,荘園の管理に当たらせることにしたのである。…

【領家】より

…ここに下司平季広―領家聖顕―本家蓮華王院という寄進地系荘園の典型的な構造が成立したのである。この場合,領家は本家に対して年貢納入の責任を負うことから預所(あずかりどころ)(本家からみて預所)と称することもあった。平安末期の寄進地系荘園である備後国大田荘では,開発領主から寄進をうけ,さらに後白河院を本家と仰いで寄進した平重衡(清盛の子)は,その寄進に際し,〈預所職に至りては重衡の子孫相伝し知行せしめんがため〉と述べており,領家に位置しながらもみずからを預所と称している。…

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