改訂新版 世界大百科事典 「那須湯本」の意味・わかりやすい解説
那須湯本[温泉] (なすゆもと)
栃木県那須郡那須町にある温泉。那須岳南東麓の那須高原に広がる那須温泉郷の中心をなす。酸性ミョウバン泉,70℃。源泉は湯川の谷に湧出する〈鹿の湯〉で,湯川西岸の高台に温泉街が形成されている。古くから湯治場として知られ,湯川沿いにある元湯の共同浴場では,時間湯が決められ,あるいは湯長の指揮のもとに〈湯もみ〉をするなど昔ながらの浴法が行われている。また湯ただれをなおす〈喜楽湯〉もある。付近には那須与一が源平合戦に際して祈念したと伝える温泉(ゆぜん)神社や九尾の狐の伝説で知られる殺生石などがある。ゴルフ場,スキー場,スケート場なども立地し,首都圏からの行楽客も多く,関東地方有数の観光地となっている。
執筆者:榊原 貴士
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報