那須高原(読み)ナスコウゲン

デジタル大辞泉 「那須高原」の意味・読み・例文・類語

なす‐こうげん〔‐カウゲン〕【那須高原】

栃木県北部、那須岳南東麓に広がる高原那珂川支流樹枝状浸食谷を形成する。また、土地改良による水田一部に見られる。観光業酪農が盛ん。那須御用邸がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「那須高原」の意味・わかりやすい解説

那須高原 (なすこうげん)

栃木県北部,那須岳(1915m)の南東麓に広がる高原。標高1200mをこえる大丸(おおまる)温泉付近から標高300~400mの国道4号線付近までの扇形に広がるすそ野を指し,那須町の一部をなす。那珂(なか)川をはさんで南に那須野原開析扇状地が接する。那須火山群の噴出した火山砕屑物からなり,表面はローム質の赤土または黒土でおおわれる。那珂川支流の余笹(よささ)川などによって谷が刻まれる。夏は冷涼であるが,冬は北西風が強く,大部分林野となっている。中部,南東部では第2次大戦前には軍馬放牧畑作が行われたが,戦後,集団開拓地が各所に立地し酪農や稲作を主体とする農業が行われる。北西部には,那須湯本温泉をはじめ,大丸温泉(単純泉,40~76℃),弁天温泉(単純泉,30~50℃),北温泉(単純泉,50~57℃),旭温泉(単純泉,70℃),八幡(やはた)温泉(単純泉,62℃),高雄温泉(硫黄泉,39℃),新那須温泉(単純泉,40~70℃)などの那須温泉郷の大部分がある。付近にはスキー場,ゴルフ場,那須国民休暇村,那須御用邸などがあり,別荘地の開発もすすんでいる。那須高原有料道路,那須山麓有料道路(1991年無料開放)が通じる。近年は福島県西郷村の一部も那須高原と呼ばれることがあり,那須湯本温泉から福島県甲子(かつし)温泉には那須甲子有料道路が通じている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「那須高原」の意味・わかりやすい解説

那須高原
なすこうげん

那須火山群の南東に広がる高原で、大部分は栃木県那須郡那須町に属する。那須火山群の火山灰などの噴出物に覆われ、那珂(なか)川の支流が樹枝状の侵食谷を形成している。多くは林野で、中部、南東部に小さい水田帯がある。第二次世界大戦前は牧馬、畑作中心の農業が行われていたが、戦後、集団開拓地が広がり、酪農または稲作中心の農業にかわった。那須火山群山麓(さんろく)に那須温泉群があり、付近に県道17号、266号、290号が通り、東部に東北自動車道、国道4号、JR東北新幹線、東北本線が走る。春の新緑、ツツジから冬のスキーまで、一年中観光行楽地となり、観光開発が進んでいる。那須御用邸、休暇村那須もある。

[奥田 久]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「那須高原」の意味・わかりやすい解説

那須高原
なすこうげん

栃木県北部,那須火山群の南東に広がる高原。那須火山群の火山灰などの噴出物におおわれ,南東に傾斜し,標高は約 300~1250m。那珂川の支流が樹枝状の谷を形成。高原の北西部に那須温泉郷があり,またスキー場やゴルフ場の開発,観光道路の設置により,四季を通じての観光・行楽地となっている。

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