日本大百科全書(ニッポニカ) 「郢書燕説」の意味・わかりやすい解説 郢書燕説えいしょえんせつ うまく理屈をあわせること。こじつけ、牽強付会(けんきょうふかい)。中国・春秋戦国時代に、楚(そ)の都郢からきた手紙に対して、燕の国の人がとった解釈という意。とある郢の人が、ある夜、燕の国の宰相(さいしょう)に手紙を書いたが、灯火が暗いので、召使いに「燭(しょく)を挙げよ」と命じ、うっかり「挙燭」というこのことばをそのまま、手紙に書き込んでしまった。これを読んだ宰相は、「挙燭」の語を「明(めい)を尊べ」の意と誤って解し、王に進言して賢者を登用し、大いに治績をあげた、と伝える『韓非子(かんぴし)』「外儲説(がいちょせつ)左上篇(へん)」の故事による。[田所義行] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例