郢書燕説(読み)えいしょえんせつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「郢書燕説」の意味・わかりやすい解説

郢書燕説
えいしょえんせつ

うまく理屈をあわせること。こじつけ、牽強付会(けんきょうふかい)。中国・春秋戦国時代に、楚(そ)の都郢からきた手紙に対して、燕の国の人がとった解釈という意。とある郢の人が、ある夜、燕の国の宰相(さいしょう)に手紙を書いたが、灯火が暗いので、召使いに「燭(しょく)を挙げよ」と命じ、うっかり「挙燭」というこのことばをそのまま、手紙に書き込んでしまった。これを読んだ宰相は、「挙燭」の語を「明(めい)を尊べ」の意と誤って解し、王に進言して賢者を登用し、大いに治績をあげた、と伝える『韓非子(かんぴし)』「外儲説(がいちょせつ)左上篇(へん)」の故事による。

[田所義行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android