鄭斗源(読み)ていとげん(英語表記)Chǒng Tu-wǒn

改訂新版 世界大百科事典 「鄭斗源」の意味・わかりやすい解説

鄭斗源 (ていとげん)
Chǒng Tu-wǒn
生没年:1581-?

朝鮮,李朝中期の文臣。字は丁叔,号は壺亭。全羅道光州の人。1630年(仁祖8)に陳奏使として明に使いし,翌年マテオ・リッチの《天文書》《遠鏡書》《千里鏡説》《職方外記》《西洋国風俗記》等の漢訳西洋書や火砲,千里鏡(望遠鏡),自鳴鐘(時計)等の器機を携えて帰国した。これは一行の訳官李栄後がイタリア人ロドリゲス(陸若漢)に西洋暦法の推算法をたずねた〈問答書簡〉とともに,西洋文物・科学の朝鮮移入の最初の記録となった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android