重富郷(読み)しげとみごう

日本歴史地名大系 「重富郷」の解説

重富郷
しげとみごう

近世の鹿児島藩の外城の一つ。始羅しら郡に所属し、同郡の南西端に位置する。鹿児島城下より四里余の地にある(三国名勝図会)。江戸時代中期に再興された越前島津家(一門家の重富島津氏)の私領。元文二年(一七三七)鹿児島藩主島津継豊は弟壮之助(忠紀)に一万石と鹿児島城下鼓川つづみがわの屋敷地を与え、越前島津家を再興した(「島津吉貴内意書」旧記雑録、「島津国史」)。翌三年一万石のうちとして帖佐ちようさ郷の脇元わきもと村・平松ひらまつ村・春花はるけ村・船津ふなつ村、吉田よしだ触田ふれだ(現吉田町)の五ヵ村を与えて一郷を創設し、翌四年に重富と号した(「島津忠紀譜」旧記雑録)。重富の名は越前国重富(現福井市)にちなんだものという。当時の五ヵ村の知行高は四千四七九石余で、残りの五千五二〇石余は他郷に散在していた(島津国史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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