桑田郡(読み)くわたぐん

日本歴史地名大系 「桑田郡」の解説

桑田郡
くわたぐん

和名抄」に記す古代丹波国六郡の一つ。同書に「桑田郡」と記し、刊本は「久波太」と訓ずる。同書高山寺本に小川おがわ・桑田・漢部あやべ宗我部そがべ川人かわむと荒部あらべ池辺いけのべ弓削ゆげ山国やまぐに有頭うつの一〇郷がみえ、刊本はさらに横作よこさく佐伯さえきの二郷を記す。郡域はほぼ現北桑田郡京北けいほく町・美山みやま町および亀岡市域にあたる。

地名桑田の初見は「日本書紀」垂仁天皇八七年条に「昔丹波国たにはのくに桑田村くはたのむらに、人有り。名を甕襲みかそと曰ふ。則ち甕襲が家に犬有り。名を足往あゆきと曰ふ。是の犬、山の獣、名を牟士那むじなといふを咋ひて殺しつ。則ち獣の腹に八尺瓊の勾玉有り。因りて献る。是の玉は、今石上いそのかみの神宮に有り」とみえ、同書仁徳天皇一六年条に「天皇、宮人桑田玖賀媛を以て、近く習へまつる舎人等に示せたまひて」とある。郡名は同書継体天皇即位前紀に「大伴金村大連議りて曰はく、「方に今絶えて継嗣無し。天下、何の所にか心を繋けむ。古より今に迄るまでに、禍斯に由りて起る。今足仲彦天皇の五世の孫倭彦王、丹波国の桑田郡に在す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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