金属水素(読み)キンゾクスイソ

デジタル大辞泉 「金属水素」の意味・読み・例文・類語

きんぞく‐すいそ【金属水素】

極めて高圧の下に置かれた水素が金属状態になっているもの。数百ギガパスカルという超高圧において、100万分の1秒以下というわずかな時間だけ液体状の金属水素を作りだすことに成功したという実験報告がある。固体状のものはまだ観測されていない。また、木星土星内部には金属水素が存在すると考えられている。

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世界大百科事典(旧版)内の金属水素の言及

【土星】より

…その下は木星と同様,高圧の液体水素の層がある。中心近くでは1000万atmという圧力のもとで,金属水素,金属化水という自由電子を含んで電導性を生じた水素や水の層が存在していると思われる。赤道半径は木星と同じ程度であるが,質量が小さいため,金属水素の領域はそれだけ小さくなっており,平均密度が0.69g/cm3と小さくなっている。…

【木星】より

…その下は高圧の液体水素の層があり,底の温度は1万1000K,圧力300万atmである。さらにその下は高温高圧のため自由電子を含んで電導性を生じた厚い金属水素の層があり,中心部は固体核があると考えられている。中心の温度は約3万K,圧力は1億atmに達する。…

※「金属水素」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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