金浦湊(読み)このうらみなと

日本歴史地名大系 「金浦湊」の解説

金浦湊
このうらみなと

[現在地名]金浦町金浦

由利海岸の商港・漁港として栄えた金浦湊は東西二町一間、南北四一間の袋状の小湾で、湾内は四尺から六尺の水深があった(羽後国由利郡村誌)。湾の入口には山王嶋さんのうじまとよぶ小丘があり、日本海からの西風を防ぐため、古くから風待港として知られ、佐渡国扇湊(現新潟県佐渡郡小木町)、津軽国深浦ふかうら(現青森県西津軽郡深浦町)とともに「北国三所の澗形」として「上方商船年中宿澗形」となってきた(出羽国風土略記)

その開港は貞永元年(一二三二)とも伝えるが(同書)、つまびらかでない。文禄年間(一五九二―九六)津軽氏から豊臣秀吉に鷹を贈る船路中に「このうら」の名があり、戦国期から港として知られた(津軽一統志)。享和二年(一八〇二)の「測量日記」に「小湊ニ四百石積舟入と言、二浦有、繁昌ニ見ゆ」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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