鈴木勘右衛門(読み)すずき・かんえもん

朝日日本歴史人物事典 「鈴木勘右衛門」の解説

鈴木勘右衛門

生年生没年不詳
江戸前期の漁業家。仙台藩(宮城県)本吉郡北方唐桑村の出身。屋号古館。延宝3(1675)年,紀州から鰹の一本釣り漁船を古館家に招いた。当時,他国の漁夫を留め置くことは飯米や鰹節製造の薪が消費されるということで,地元漁民の反対にあったが,紀州の鰹溜釣り漁法(飼鰯を海面に撒くことで鰹を集めて釣る漁法)を仙台藩に普及させ,その後の気仙沼地方の造船業や鰹節製造業の発達にも影響を与えた。<参考文献>日本常民文化研究所編『陸前唐桑の資料

(川島秀一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鈴木勘右衛門」の解説

鈴木勘右衛門 すずき-かんえもん

?-? 江戸時代前期の漁業家。
陸奥(むつ)本吉郡(宮城県)唐桑(からくわ)村の人。延宝3年(1675)紀伊(きい)牟婁(むろ)郡(和歌山県)から鰹(かつお)の一本釣り漁船をまねき,紀伊の鰹溜(ため)釣り漁法を仙台藩内に普及させた。また気仙沼地方の造船業や鰹節製造にもかかわった。屋号は古館(こだて)。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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