唐桑(読み)カラクワ

精選版 日本国語大辞典 「唐桑」の意味・読み・例文・類語

から‐くわ‥くは【唐桑】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国から渡来の桑の木材。木目が美しく、種々の器具を作るのに用いる。とうぐわ。
    1. [初出の実例]「輿の内に入られしから桑の笥より、堆朱の香箱御前にさし出せば」(出典:浄瑠璃・孕常盤(1710頃)一)
  3. 植物「はなずおう(花蘇芳)」の異名。

とう‐ぐわタウぐは【唐桑】

  1. 〘 名詞 〙 クワ科の落葉高木。中国および朝鮮の原産で、日本でも古くから広く栽培されている。放置すれば高さ一〇メートルにもなるが、養蚕用の栽培では毎年枝を切るので低木状。ヤマグワ近縁種だが、葉の先が細くとがらず葉柄がやや短いなどの点で異なる。養蚕用の品種が多く、時に街路樹にもされる。からぐわ。からやまぐわ。まぐわ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「唐桑」の意味・わかりやすい解説

唐桑
からくわ

宮城県北東端、本吉郡(もとよしぐん)にあった旧町名(唐桑町(ちょう))。現在は気仙沼(けせんぬま)市の東部を占める地域。旧唐桑町は1955年(昭和30)町制施行。2006年(平成18)気仙沼市に合併。国道45号が通じる。旧町域は太平洋に面する。丘陵地では畑作を主とする農業も行われるが、就業人口の約4分の1は漁業、水産養殖業に従事する。唐桑半島の東岸ではノリワカメアワビホヤなどの採取やイカナゴ漁、西岸では小型定置網漁業や浅海養殖業が行われる。遠洋漁業乗組員も多く、気仙沼を根拠地として活躍。三陸沖の黒潮の影響で冬季も比較的温暖で、タブやツバキが群生する。巨釜・半造(おおがまはんぞう)、大理石海岸御崎(おさき)のリアス海岸の奇勝もあり、三陸復興国立公園(旧、陸中海岸国立公園)に含まれ、海域公園もある。北西部の九九(くぐ)鳴き浜は、歩くと音がする砂浜として知られる。

[青柳光太郎]

『『唐桑町史』(1968・唐桑町)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「唐桑」の意味・わかりやすい解説

唐桑
からくわ

宮城県北東部,気仙沼市北東部の旧町域。広田湾西岸および唐桑半島に位置する。1955年町制施行。2006年気仙沼市と合体。唐桑半島の東海岸はワカメ,コンブ,ヒジキなどの海産物に恵まれ,西海岸はカキ,ワカメ,ホタテガイなどの養殖が行なわれる。沿岸漁業および遠洋漁業が主産業。東海岸に巨釜・半造の景勝地があり,1964年陸中海岸国立公園(→三陸復興国立公園)に指定。

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百科事典マイペディア 「唐桑」の意味・わかりやすい解説

唐桑[町]【からくわ】

宮城県北東端,唐桑半島を占める本吉郡の旧町。沿岸魚類が豊かで,漁業従事者が多い。ノリ,ワカメ,アワビ,ホタテの養殖も行われる。海岸の一部は三陸復興国立公園に属する。2006年3月気仙沼市へ編入。42.28km2。8661人(2003)。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「唐桑」の解説

唐桑 (カラクワ)

植物。アオイ科の落葉低木・小高木,園芸植物,薬用植物。ムクゲの別称

唐桑 (カラクワ)

植物。マメ科の落葉小高木,園芸植物。ハナズオウの別称

唐桑 (カラグワ)

植物。ミズキ科の落葉高木,園芸植物。ヤマボウシの別称

唐桑 (トウグワ)

植物。クワ科の落葉高木,薬用植物。マクワの別称

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