朝日日本歴史人物事典 「鈴木庸寿」の解説
鈴木庸寿
生年:文化9.7.2(1812.8.8)
幕末明治初期の川越藩領の名主。荒川の川島領大囲堤の修築に活躍した。荒川右岸の武蔵国比企郡宮前村(埼玉県川島町)に生まれる。通称久兵衛。当地は荒川・入間川・市の川に囲まれた水害常襲地帯で,弘化2(1845)年10月に領内の名主と共に川越藩に堤防の修築を出願。翌3年には藩の郡奉行安井政章の指揮のもと普請世話方として大囲堤修築工事に参加。これらの功績により苗字帯刀を許された。その後も嘉永1(1848)年の福田村(川越市)堤防普請をはじめ,相州沿岸警備,品川沖台場警備などに人夫差配方として,川越藩の御用を数多く勤めた。<参考文献>『川島郷土史』
(重田正夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報