鈴木 章(読み)スズキ アキラ

化学辞典 第2版 「鈴木 章」の解説

鈴木 章
スズキ アキラ
Suzuki, Akira

日本の有機化学者.北海道勇払郡生まれ.1954年北海道大学理学部化学科卒業,1959年3月北海道大学大学院理学研究科博士課程退学(1960年3月理学博士),同年3月同理学部助手,1961年北海道大学工学部合成化学工学科助教授,1973年同大学工学部応用化学科教授,1994年定年退官後,岡山理科大学教授,倉敷芸術科学大学教授なども歴任.1963~1965年にアメリカのパデュー大学に留学し,Brown, Herbert Charles(ブラウン)に師事してホウ素の化学を研究.帰国後,有機ホウ素化合物を利用した有機合成の研究を開始.1970年代初めから本格的な研究が始まっていたクロスカップリング反応(遷移金属触媒を用い,有機金属化合物と有機ハロゲン化物から新たなC-C結合を形成する反応)を,有機金属化合物として有機ホウ素化合物を用いてパラジウム触媒塩基の存在のもとに成功させた(1979年発表).1981年には同法によって,芳香族(Ar)を結合してビアリール化合物(Ar-Ar)をつくることにも成功した.C-C結合形成反応としてその高い汎用性が評価されて,2010年にノーベル化学賞受賞した.同年の文化勲章も受賞.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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