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ホウ素 ホウそboron

翻訳|boron

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ホウ素
ホウそ
boron

元素記号B,原子番号5,原子量 10.811。周期表 13族に属する。主要鉱石はホウ砂カーン石コールマン石などがある。火成岩中に広く分布し,地殻の平均含有量 10ppm,海水中の平均濃度 4.6 mg/l単体は黒灰色,金属光沢のある半金属固体で,比重 2.33 (無定形ホウ素は 1.73) ,融点 2000~2500℃。化学的性質はケイ素に類似し,不活発。塩酸フッ化水素酸におかされないが,アルカリ溶融により分解される。還元性があり,銅の脱酸剤ともなる。単体としての用途はあまりないが,化合物はガラスなどの原料として重要である。

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知恵蔵の解説

ホウ素

ホウ素化合物では、ホウフッ化水素酸が半導体工場で、ホウフッ酸塩がアルミニウム製造工場で、ホウ酸がメッキ工場、ガラス工場、医薬品(目薬)工場などで使われる。ホウフッ化水素酸やホウフッ酸塩が、人体に摂取されると、皮膚、目、粘膜などに激しいやけどを引き起こす。ホウ酸を大量に内服すると、ショックを起こし、中枢神経に障害を与える。 人体への健康被害を防ぐために、排水基準は1リットルにつき10ミリグラム、水質環境基準は、1リットルにつき1ミリグラムと定められたが、近年、土壌・地下水や廃棄物処分場周辺で検出されている。

(畑明郎 大阪市立大学大学院経営学研究科教授 / 2008年)

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栄養・生化学辞典の解説

ホウ素

 原子番号5,原子量10.811,元素記号B,13族(旧IIIa族)の元素.植物では微量必須元素.

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ホウ素
ほうそ
boron

周期表第13族に属し、ホウ素族元素の一つ。ホウ砂(しゃ)、ホウケイ酸ガラスなどホウ素化合物は、古くからよく知られていた。1702年オランダのホンベルクWilhelm Homberg(1652―1715)がホウ砂と緑礬(りょくばん)の水溶液を加熱して揮発性の物質を得たが、その後ホウ砂と酸からも同じものが得られることがわかった。これがホウ酸であるが、1808年フランスのL・ゲイ・リュサックとL・J・テナールおよびイギリスのH・デービーらがホウ酸をカリウムで還元して単体として取り出した。彼は初めホウ酸boric acidにちなんでboraciumという名を提案したが、その性質が炭素carbonによく似ていることからboronと改められた。地殻中にはホウ酸塩として広く分布し、天然にはホウ酸またはホウ酸塩として産出する。おもな鉱石は、ホウ砂Na2B4O710H2O、カーン石Na2B4O74H2Oなどである。単体を得るには、酸化物をマグネシウムなどで還元する方法、テトラフルオロホウ酸カリウムKBF4の溶融塩電解法などで95~98%の純度のものが得られる。純度の高いものを得るのには酸化ホウ素に炭素を加え、塩素を反応させて塩化ホウ素とし、これを蒸留して精製し、水素とともに1000℃以上に加熱したタングステンなどのフィラメント上に通すと、99%以上のものが得られる。単体には結晶性のものと無定形のものがある。無定形粉末を約1000℃に熱するとα(アルファ)菱面(りょうめん)体晶となり、さらに熱すると1100~1200℃でβ(ベータ)菱面体晶となる。その他正方晶系変態があるとされたが、これはB50C2あるいはB50N2などであることが示されている。金属光沢のある黒色結晶は、ダイヤモンドに次いで硬く(モース硬さ9.3)、半導体の性質を示す。金属と非金属の境界領域にある半金属の一つ。化学的性質はケイ素に似ている。熱すると酸素、窒素、ハロゲンなどと直接化合してそれぞれ酸化物B2O3、窒化物BN、ハロゲン化物をつくる。熱濃硝酸によりホウ酸、水酸化アルカリと溶融するとホウ酸アルカリとなる。純ホウ素はシリコン半導体のドープ剤として用いられ、また中性子吸収断面積が大きいので原子炉の制御棒、遮蔽材(しゃへいざい)に利用される。そのほか、ホウ酸としてホウケイ酸ガラスの原料、医薬、防腐剤などの用途がある。[守永健一・中原勝儼]

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