銀板写真法(読み)ぎんばんしゃしんほう(その他表記)daguerreotype

翻訳|daguerreotype

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「銀板写真法」の意味・わかりやすい解説

銀板写真法
ぎんばんしゃしんほう
daguerreotype

フランスの画家 L.M.ダゲールが発明したダゲレオタイプ写真法のこと。露光で生じた乳剤上の不可視潜像を,現像処理で写真とする写真法の最初のもの。 1839年8月 19日,発明者ダゲールに代り,物理学者 F.アラゴがパリの科学アカデミーで大聴衆を前に公表。日本の写真界では,この日を記念し,毎年東京でダゲール祭を催す。日本渡来は天保 12 (1841) 年といわれてきたが確証がなく,嘉永1 (48) 年説が有力である。写真法の大略は,よく磨いた銀板または銀メッキの銅板面に,ヨード蒸気を当てて感光性のヨウ化銀とし,撮影する。潜像を水銀蒸気で現像すると写真が現れる。これを食塩またはハイポ定着。初期の露光時間は約 30分。銀板写真は,東京上野の国立科学博物館に展示されている。

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