銅剤(読み)どうざい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「銅剤」の意味・わかりやすい解説

銅剤
どうざい

銅化合物が成分の殺菌剤で、植物の病気の防除に用いる。遊離する2価の銅イオン(Cu++)が病原菌の細胞に過度の酸化接触作用をおこし、またはSH基など酵素系の活性を阻害して効力を発揮する。多種類の病原菌に保護剤として有効だが、治病的効果は期待できない。硫酸銅生石灰自家製造するボルドー液は代表的銅剤である。インスタントボルドー液としての銅水和剤は、塩基性塩化銅など銅の無機塩や、オキシンのキレート銅などを成分とする。

[村田道雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android