日本歴史地名大系 「銭掛松」の解説 銭掛松ぜにかけまつ 三重県:津市北郊地区高野尾村銭掛松[現在地名]津市高野尾町伊勢別街道沿いの、高野尾(たかのお)町と大里睦合(おおざとむつあい)町一帯の豊久野(とよくの)にある。豊久野は、応永三一年(一四二四)に「武蔵野に伊勢のとよくのくらぶればなをこの国ぞすゑはるかなる」(室町殿伊勢参宮記)と歌われ、また歌人尭孝も「君が代をまつこそあふけ広きのへ末はるかなる道に出ても」(伊勢紀行)と永享五年(一四三三)に詠んだ松原の名所である。このなかにあった銭掛の松を、文政一三年(一八三〇)「伊勢道の記」中で葉室顕孝が「ゆふかけておかみまつりし豊久のの松は今しも枯はてにけり」と詠んだ。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報