銭村(読み)ぜんどもむら

日本歴史地名大系 「銭村」の解説


ぜんどもむら

[現在地名]天明町銭塘

緑川下流に形成された低湿地にあり、南は道古閑どうのこが村、西は奥古閑おくこが村に接する。もと一村であったが、「国誌」では通称東銭塘村の銭塘村と西銭塘村に分れ、宝暦一一年(一七六一)段階では東西南北の四村に分れていた。天文八年(一五三九)一〇月二八日の大慈寺元訓等連署置文(大慈寺文書)に「大慈寺領銭塘之内七町築籠之事」とあり、銭塘は大慈だいじ(現熊本市)領であった。「国誌」に後の大慈寺開山寒巌義尹が文永四年(一二六七)宋より帰国後、宋の銭塘陂にならって海に長塘を築いたと記される。その開田数は五五町であったというが(明治以前日本土木史)、場所は不明である。天正一五年(一五八七)一一月一五日の佐々成政黒印状(伊豆氏所蔵文書)に「銭友之内四町四反」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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