鍬先(読み)くわさき

精選版 日本国語大辞典 「鍬先」の意味・読み・例文・類語

くわ‐さきくは‥【鍬先】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 鍬の頭部に取り付ける鉄製の部分。くわびら。
    1. [初出の実例]「渠が動かす鍬さきから、不毛の湿りが〈略〉渠の周囲に攻め返して来る」(出典:断橋(1911)〈岩野泡鳴〉七)
  3. アイヌ宝物とする、兜(かぶと)鍬形(くわがた)の形をしたもの。病気、災難の時祈れば効があるという。〔随筆・東遊記後編(1797)〕
  4. 新田開発の際に労力出資した農民の権利を尾張地方などでいう。また、村内の空閑地を他村の者が開墾して耕作することを加賀地方などでいう。
    1. [初出の実例]「大宝前新田小作共、昨今鍬先五分又六分抔言募り候て商談整不申」(出典:鈴木月休願書(尾張海東郡蟹江村)‐延享二年(1745)一二月)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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