鑢粉(読み)ヤスリフン

デジタル大辞泉 「鑢粉」の意味・読み・例文・類語

やすり‐ふん【×鑢粉】

金・銀・すずなどの地金やすりでおろして細かい粉にしたもの。蒔絵まきえなどに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「鑢粉」の意味・読み・例文・類語

やすり‐こ【鑢粉】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 粉状になった、鑢の削りくず。
    1. [初出の実例]「いろいろのかねのやすりこをがっしても、ふきはけ見れば、其いろいろはつゐにはあらはるるがごとし」(出典:子孫鑑(1667か)上)
  3. やすりふん(鑢粉)

やすり‐ふん【鑢粉】

  1. 〘 名詞 〙 蒔絵などに用いる金属粉一種。金や銀の地金を鑢でおろしたままの粉で、整形されていないため、稜角があり、形状もまちまちである。平安時代、蒔絵に用いた。

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世界大百科事典(旧版)内の鑢粉の言及

【梨地】より

…金粉を蒔いた地のことで,その名はナシの皮に似ているところからきており,中国では日本の梨地のことを灑金(さいきん)と呼んだ。梨地用の金粉は梨地粉といい,その製法は金の地金を鑢(やすり)ですりおろしたいわゆる鑢粉を鋼板の上に散布し,その上に太い針を3~4本ならべ,こてで針を圧しながらころがすと,鑢粉は平らにのびて平目粉(ひらめふん)ができる。これをさらに圧して不整形にちぎれたものを篩(ふるい)にかけて大小数種に分けたものが梨地粉である。…

※「鑢粉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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