(読み)かぎ

普及版 字通 「鑰」の読み・字形・画数・意味


25画

(異体字)
25画

[字音] ヤク
[字訓] かぎ・とざし・じょう

[説文解字]

[字形] 形声
声符は龠(やく)。龠は竹管の笛。その形が似ているので、また関鑰の意に用いる。〔説文〕十二上を正字とし、「關下の牡(ぼ)なり」という。経籍に籥に作り、のち鑰を用いる。横木を通して地に直下する木を牝牡にたとえていい、また錠前は横にさしこむので鑰匙(やくし)という。鍵鑰(けんやく)はものを啓(ひら)く鍵であるから、ことの要訣をいう。

[訓義]
1. かぎ。
2. とざし、じょう、かけがね。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕鑰 開鑰なり。止佐志(とざし)〔和名抄〕鑰 楊氏語抄に云ふ、鑰匙、門の加(かどのかぎ)〔名義抄〕鑰 カドノカギ・カギ/鑰匙 カドノカギ 〔立〕鑰 カドノカギ・カギザシ・カギ 〔字鏡集〕鑰 カドノカギ・カギ・カハ

[語系]
鑰()・籥(龠)jikは同声。籥は竹笛、関鑰と形が似ており、字が通用する。

[熟語]
鑰匣鑰鉤・鑰匙鑰牡
[下接語]
管鑰・関鑰・九鑰・宮鑰・魚鑰・玉鑰・金鑰・禁鑰・謹鑰・銀鑰・鑰・啓鑰・鑰・戸鑰・庫鑰・鎖鑰・重鑰・投鑰・秘鑰・牡鑰・門鑰・幽鑰・霊鑰

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【鍵】より

…今日でも雨戸などに使われている〈さる〉や閂(かんぬき)などの木製の差込み棒も,単純な形式の錠であり,この原理は西洋も東洋もかわらない。
[東洋]
 中国で鍵(けん)とか鑰(やく)とかの字は,すでに周,漢の文献に見えているが,とくに遺品というべきものはない。ただ〈五寸の鍵〉とか〈一尺の鍵〉とかいう言葉があるから,かなり長かったものにちがいない。…

※「鑰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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