かは

精選版 日本国語大辞典 「かは」の意味・読み・例文・類語

か‐は

(疑問係助詞「か」と強調・感動の係助詞「は」とが重ね用いられたもの) 文中では連用語を受けて係り結びを起こし、文末では体言または体言に準ずる語、および体言に断定助動詞「に」の付いたものを受ける。
(イ) 詠嘆を含んだ疑問の意を表わす。文中用法の場合、「は」助詞は、きわめて軽く間投助詞的に添えられたものであるため、詠嘆の意が弱いが、文末用法の「は」助詞は、感動表現としてかなり積極的にはたらいているため、詠嘆の意の強い例が多い。
古今(905‐914)夏・一六五「はちす葉の濁りにしまぬ心もて何かは露を玉とあざむく〈遍昭〉」
(ロ) 反語の意を表わす。
※竹取(9C末‐10C初)「あふ事も涙にうかぶ我が身には死なぬ薬も何にかはせむ」
[語誌]「やは」は上代に例が見られるが、「かは」は中古になってから現われた。文中用法で係り結びを起こし、疑問や反語の意を表わす点は「か」の用法と同じだが、「か」よりも反語を表わす傾向が強い。文末用法ではその傾向がさらに強くなる。「は」が付くことによって反語の意を明示的に表わし、「か」との機能分担を行なっていると見られる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「かは」の意味・読み・例文・類語

か‐は

[連語]《係助詞「か」+係助詞「は」》
感動のこもった疑問の意を表す。…か。…のか。…かなあ。
「おぼつかな野にも山にも白露の何ごとを―思ひおくらむ」〈新古今・秋下〉
反語の意を表す。…だろうか、いや、そうではない。
「いと恥づかしき御けはひに、何事を―いらへ聞こえむ」〈若紫
「命は人を待つもの―」〈徒然・五九〉

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普及版 字通 「かは」の読み・字形・画数・意味

【花】かは

はな。

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